運転支援システムとは?
「運転支援システム」は、ドライバーの不注意による事故を回避してくれたり、運転操作自体をサポートしてくれるシステムのことです。
現在の運転支援システムには・・・
・衝突被害軽減ブレーキ
・ACC(アダクティブクルーズコントロール)
・ステアリング(ハンドル)支援機能
・ヘッドライトサポート(スマートライティングシステム)
・駐車支援機能
などがあります。
これから上記の運転支援システムについて詳しくご説明させていただきますので、安全装備についての参考にしてみてください。
衝突被害軽減ブレーキとは?
「衝突被害軽減ブレーキ」は、前方にある対向車、歩行者、障害物などをカメラやレーダーで監視して、衝突の危険があれば音や表示で知らせてくれます。
そして、ドライバーのブレーキが間に合わない場合には自動でブレーキ操作をしてくれるシステムです。
このシステムによって、追突事故を避けたり、軽減することができるようになります。
ACC(アダクティブクルーズコントロール)とは?
「ACC」は、高速道路や自動車専用道路などでアクセルを踏まなくても一定の速度で走行してくれるシステムです。
モデルによって機能は異なりますが、先行する車がいない場合には設定した一定の速度で走行をしてくれて、前方に車がいる場合は、速度をコントロールしながら一定の距離を保ってくれます。
そして、先行する車が停止すると、自動で停止してくれてアクセルを踏むか、スイッチ操作をすることによって再び自動で走行してくれます。
最近では、割り込みしてきた車にも対応するようになっています。
あとは、一般道路でもACCに対応するモデルもあります。
渋滞した道路や長距離運転などでドライバーの負担を軽減してくれるシステムです。
ステアリング(ハンドル)支援機能
「ステアリング支援機能」というのは、自動でステアリング(ハンドル)操作をしてくれる機能のことです。
主に、「レーンキープアシスト(車線逸脱防止機能)」として取り入れられています。
レーンキープアシスト(LKA)というのは、白線や黄線をはみ出してしまった時に、自動でステアリング操作をして車線の中央に戻るようにしてくれる機能です。
白線や黄線をカメラで認識して、ステアリングを握らずに車線をはみ出そうとしたり、ウインカー操作をしないで車線をはみ出そうとすると、まずは警報(音や表示)で知らせてくれてステアリング操作を制御してくれます。
居眠り運転やいつの間にか車線をはみ出してしまう事故を回避してくれるシステムです。
ヘッドライトサポート(スマートライティングシステム)
「ヘッドライトサポート」というのは、自動でライトの「ハイビーム」と「ロービーム」を切り替えてくれるシステムです。
ほとんどのドライバーは、よほど視界が悪くない限りは通常ロービームのみで走行をしています。
ただ、道交法では先行車や対向車がいない場合は、ハイビームで走行することが基本となっています。
都会ではあまり必要無い機能かもしれませんが、街頭などの明かりが少ない道路を走ること(ハイビームにすること)が多いなら便利な機能となります。
駐車支援機能
「駐車支援機能」は、駐車場でのサポートをしてくれるシステムです。
駐車支援機能には、様々な支援システムがあり・・・
・前方や後方に誤って急接近してしまった時に警報と自動ブレーキを作動してくれる「語発信抑制機能」
・自動で駐車をしてくれる「自動駐車機能」
・カメラで障害物や空きスペースが確認できる「バックモニター」と「アラウドビューモニター」
などがあります。
他にも駐車場から出ようとする時に車が近づいていることを警報で教えてくれる支援機能もあります。
その他の支援機能
制限速度、一時停止、進入禁止などの標識を検知してくれる「標識検知機能」
車線変更をする時や斜め後ろの見づらい所に車両がいることを知らせてくれる「後側方車両検知警報(BSW)」
信号待ちで停車している時に前方の車両が発車したのに停止している場合に警報(音や表示)で教えてくれる「先行車発進お知らせ機能」
などの支援機能もあります。
メーカー別運転支援システム対応速度比較一覧
トヨタ・セーフティセンスP
「トヨタ セーフティセンスP」はトヨタの運転支援システムです。
「衝突被害軽減ブレーキ」
対車両作動速度:10km/h以上の幅広い速度域
歩行者作動速度:10~80km/h
「ACC(アダクティブクルーズコントロール)」
速度域:0~100km/h
「レーンキープアシスト」
条件:車線の幅が3m以上で、速度は50km/h以上で作動
「ヘッドライトサポート
オートマチックハイビーム速度域:約30km/h以上
プロパイロット
「プロパイロット」は日産の運転支援システムです。
「衝突被害軽減ブレーキ」
対車両作動速度:10~80km/h
歩行者作動速度:10~60km/h未満
「ACC(アダクティブクルーズコントロール)」
速度域:30~100km/h
条件:高速道路や自動車専用道路での使用
「レーンキープアシスト」
速度:30~100km/h
条件:高速道路や自動車専用道路での使用、時速50km/h以下では先行者検知のみ
「ヘッドライトサポート
オートマチックハイビーム速度域:約25km/h以上
アイサイトVer.3
「アイサイトVer.3」はスバルの運転支援システムです。
「衝突被害軽減ブレーキ」
対車両作動速度:1~160km/h
歩行者作動速度:1~160km/h
「ACC(アダクティブクルーズコントロール)」
速度域:0~100km/h
「レーンキープアシスト」
速度:60km/h以上
「ヘッドライトサポート
オートマチックハイビーム速度域:約30km/h以上
ホンダセンシング
「ホンダセンシング」はホンダの運転支援システムです。
「衝突被害軽減ブレーキ」
対車両作動速度:5~80km/h
歩行者作動速度:5~80km/h未満
「ACC(アダクティブクルーズコントロール)」
速度域:30~100km/h
「レーンキープアシスト」
速度:65~100km/h
さいごに
現在では、販売されているモデルの多くに運転支援システムが搭載されています。
販売価格に関係無く、比較的安価なモデルでも安全装備が充実してきています。
今から20年くらい前までは、「速い車」が人気となっていて、10年くらい前からは「実用性」や「安全性」や「燃費性能」など、より生活に関係した機能が求められてきました。
そして、数年前からは「安全性の高さ」もユーザーが車を選ぶ大きな基準の一つになってきています。
運転支援システムが付いているかどうかで選ぶユーザーもかなり増えてきているのです。
今後も車の進化はどんどん加速していきます。
車の進化には賛否両論があると思いますが、どんなに気を付けていても事故は起きてしまうものなので、安全な車が増えるのは素直に喜ばしいことだと思います。
今後も運転支援システムが進化して、より安全な車が増えていってほしいです。
そして、「事故の起きない未来」になってほしいです。